2014.05.12
キャラクター

クリエイターが支える!「初音ミク」のオープニング・アクト誕生秘話

2014年5月4日より、レディー・ガガ氏のワールドコンサートツアー「LADY GAGA’S artRAVE: the ARTPOP ball」の北米公演がスタート致しました。

同ツアー、5月6日から6月3日までの16公演で、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社(本社:札幌市中央区、代表取締役:伊藤博之)のバーチャル・シンガー「初音ミク」がオープニング・アクトを務めさせて頂きます。すでに多くの方々にご覧頂いており、様々な反響を頂戴しております。

■ セッティング時間は30分!不可能を可能にする新システム開発

「初音ミク」のコンサートは、キャラクターの3DCGの映像を透明なスクリーンに投射して行うため、半日の時間をかけて映像装置をセッティングします。それが今回のオープニング・アクトでは、映像装置のセッティングに使用できる時間はわずか30分、そして撤収に10分と、従来のコンサートにはない短時間でのセッティングが要求されます。その短い時間内に、映像コンテンツの位置合わせまでを含めて完了する必要があるため、当社では新たなシステムの開発に至りました。30分でセッティングが可能なシステム、通称「30システム(サンマルシステム)」です。この新システムにより、これまででは考えられない機動性で「初音ミク」のステージが実現可能となったのです。

■ 限られた条件下で最大限のパフォーマンスを

短時間のセッティングでもステージの華やかさは欠かせません。そこで、機動性良く登場・退場が可能な、生身のダンサーを起用することに致しました。今回のステージでは、Perfumeのダンス振付やライブ演出などで知られるMIKIKO氏が率いる、ダンスカンパニーELEVENPLAYのダンサー2名に彩りを添えて頂いております。なお「初音ミク」自体のダンスは、冨田勲氏の「イーハトーヴ交響曲」やBump Of Chickenの「Ray」でのコラボなど、これまでにも多くのモーションを手掛けてきたYumiko氏に担当して頂きました。バーチャルとリアルが融合した、これまでにない新たな表現のステージとなっております。

■ 地元の技術者を集結、札幌から世界へ。札幌国際芸術祭にも出展

今回のオープニング・アクトで使用した「30システム」は、当社の地元札幌市の舞台技術者やクリエイターとの協力によりその殆どを設計し開発したものです。草案から装置のプロトタイプの完成までを、1ケ月の短期間で行えたのは、地元ならではの強みです。今回のツアーを終えた「30システム」は、今夏に行われる「札幌国際芸術祭 2014」に出展する予定となっております(実際の映像の投射はございません)。地元の技術者とクリエイターが開発した装置が海を越えて北米ツアーを達成したことを、多くの方々に知っていただくためにドキュメンタリー映像と共に展示の予定です。展示の詳細については、当社のホームページ等で後日告知いたします。

このような展開を見せている「初音ミク」ですが、元々は“歌を歌うソフトウェア”として誕生したものでした。発売以降、クリエイターたちの手によって、その歌声を使った様々な楽曲が生み出され続けており、現在ではクリエイターたちの楽曲を「初音ミク」が歌う3DCGコンサートを国内外で開催するなど、ソフトウェアの枠組みを超えて多くのファンを楽しませる存在となりました。アーティストのコンサートツアーへの参加は今回が初めてとなります。多くのファンの方々に楽しんで頂ける、最高のパフォーマンスができるよう引き続き尽力して参ります。

Yumiko a.k.a MTP

東京都出身在住。振付演出家、ダンサー、アクター、MMDモーションデザイナー。幼少からクラシックバレエと器械体操を学び、舞踊留学のため渡仏。さまざまなジャンルのダンスカンパニーでプロダンサーとして活動した後、現代美術における身体表現を中心に創作活動を始める。2008年、自身の作品制作のためフランスから日本の動画共有サイトに動画の投稿を開始(=Yumiko名義でボーカロイド2次創作活動を開始)。これをきっかけにネットアイドルグループの振付を始める。2010年帰国。現在はアイドルグループやシンガーの振付・ステージングの提案をメインに活動をしながら3DCGアニメーションソフト「MMD」で自ら手打ちのモーションを制作している。

ELEVENPLAY

コレオディレクターMIKIKO率いるダンスカンパニー。メンバーは舞台、映像、スチールなど、表現の場を様々に持ち、心.技.体+センスの磨かれた個性豊かな10名の女性ダンサーで編成されている。
2011年に舞台でのダンスインスタレーション単独公演「dot.」、2014年「mosaic」を成功させ、SonarSoundTokyo、YCAMでのパフォーマンス、クリエイター集団ライゾマティクスとのコラボレーションなど幅広い表現活動を行っている。2013年より活動の場を海外にも広げ、精力的に活動している。

MIKIKO

コレオディレクター。多種多様なダンスの経験を元に、ダンサー・振付師として注目される。
2005年に初演出をし、作・振付も手がけた舞台『DRESS CODE』で独特の世界観を構築し、評判を呼ぶ。2年間のNYでの活動後も、Perfumeの振付・ライブ演出を手がける他、様々なPV・CM・舞台などの振付を行う。またダンスカンパニー「ELEVENPLAY」を主催し、選りすぐりのメンバーとともに独創的なMIKIKOワールドを作り上げている。空間を色づけ、まるで音が見えてくるような振付は、歌詞の世界観を視覚で広げ、踊り手の魅力を最大限に引き出す。『五感に響く作品作り』がモットー。

札幌国際芸術祭 2014

札幌初の国際的なアートフェスティバル。「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、世界的に著名なアーティストである坂本龍一氏をゲストディレクターに迎え、2014年7月19日(土)から9月28日(日)まで、72日間に渡り開催。開催テーマは「都市と自然」。これからの都市と自然の共生のあり方を考える国際芸術祭として、世界で活躍する現代アーティストたちが参加し、市内各所では様々なプロジェクトなどが展開される。美術館はもちろん、札幌全体が芸術祭の舞台となる。

「初音ミク」オープニング・アクト動画<レディー・ガガ氏のInstagramより>

参加コンサートツアー

LADY GAGA’S artRAVE: the ARTPOP ball

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「初音ミク」について

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【お問い合わせ先】

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社

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